いざという時の心肺蘇生とAED

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先月末に新潟の高校で16才の野球部女子マネージャーが練習後のランニング直後に倒れてそのまま意識不明となり亡くなるという痛ましい事故が報道されました。まだまだ人生これからというところでご本人、ご家族などの心中は察するにあまりあります。

倒れるまで実際どのような経緯であったのか 防ぐことはできなかったのかといった検証・反省は必要でしょうし、その結果は全国で共有して欲しいと思います。運動経験もあり、持病なども無い若い学生が突然このようなことになるというのはなかなか予測しにくいことだと感じますし、生徒を預かって管理する側の難しさを感じます。

ましてや甲子園なり他スポーツでも全国トップを狙うとなるとかなり追い込んだ練習が必要になってくるはずです。今でこそ水分補給などは理解されるようになってきましたが、一昔前なら根性で我慢しろという考え方もまかり通っていましたからね。

運動は運動で追い込むことはいいのですが、体調管理には十分にケアを望みたいところです。

さて今回のようなケースは実は身の回りでもいつおきるかわかりません。突然目の前の人が倒れて意識を失ってしまったらどれだけの人が冷静に対応できるでしょうか。そのような時に必要になるのが心肺蘇生術です。今回は心肺蘇生について記事にしてみたいと思います。

 

心肺蘇生とは

意識や呼吸が無い人に対しての救命活動のことで、その方法を心肺蘇生法といい、英語のcardiopulmonary resuscitationを省略してCPRと呼ばれます。ちなみに心肺停止状態の人をCPA(cardiopulmonary arrest)といい、やや紛らわしいので間違えないようにしてください。

CPRの目的は自発的な呼吸を取り戻すためでもありますが、まず第一の目的は脳への酸素供給です。人が倒れてすぐに119番通報を実施したとしても救急隊が到着するまで平均7分以上かかります。その間何もしないておくと、脳に酸素が届かなくなり最悪死に至りますので至急の対応が求められます。特に5分を超えると死に至らずともなんらかのダメージが脳にダメージが残る可能性がかなり高くなります。このため救急隊が到着するまでにCPRを行うことが救命率に大きくかかわってくるのです。

心肺蘇生の手順

目の前でもし人が倒れた時どのように対応したほうが良いのか手順をまとめてみます。

安全の確保

例えば車の事故の場合は交差点の真ん中で行うべきではありません。まずは安全な場所に移動する必要があります。ただ相手が血まみれ等の場合は感染症に注意する必要があります。相手の血液にはふれないようにしましょう。コンビニやスーパーのビニールごしに相手に触れるといいと思います。重くもかさばるものでもないのでかばんなどに何枚か忍ばせておくと救急救命以外にもいろんな場面で役に立つと思いますのでおすすめです。

意識・呼吸を確認

相手の顔の近くに自分の顔を近づけて呼吸を確認しつつ相手の肩をたたきながら大きな声で呼びかけを行い、相手に反応があるか確認します。これで反応がない、呼吸がない場合はAEDそして胸骨圧迫の対象で、大至急の対応が必要となります。

周囲の人への呼びかけ

周囲に人がいる場合は人が倒れていると大きな声で呼びかけを行います。そして呼びかけに応じて集まってきた人に対して具体的に以下のお願いをしましょう

それは

  • 119番通報
  • AEDを探してきてもらう

の二点です。これは具体的に相手の目を見てお願いすることが大事です。周りの人に対して漠然と呼びかけるよりも目があった人などを指定して「119番通報してください」 「AEDを探してきてください」と具体的にお願いすることが大切です。そうすれば相手が戸惑うこともありません。例えば「救急車を呼んでください」よりは「119番通報してください」のほうがより良いとされています。ととにかく一分一秒を争う事態なのでスムーズに迅速に対応することが大切です。

AEDとは自動体外式除細動器のことで英語表現の Automated External Defibrillatorを略してAEDと呼ばれています。AEDは電極のついたパッドを患者の胸に貼り付けることで患者の心電図を解析し、心室細動と呼ばれる不整脈を電気ショックで取り除くものです。AEDの適用は意識呼吸がない患者ではありますが、そのあたりもAEDで判断してくれるので迷ったらAEDを使用しても問題なありません。AEDは蓋をあけると音声ガイダンスが流れますのでその指示に従えば問題ありません。躊躇せずに使いましょう。
AEDは患者に電流を流すことになります。周囲になにか触れていないかなに注意してど人を遠ざけるようにしましょう。やけどの原因になるので貴金属などは取り外すようにしてください。

胸骨圧迫の開始

いわゆる心臓マッサージのことです。まずはAEDが届く前に始める必要があります(その場にAEDがあっても準備ができる前に始めたほうが良いです)患者の心臓のあたりの上に両手を重ね、肘を曲げないで5センチ程度胸骨の上から心臓を押し込みます。これを100回~120回/分のペースで行うことで心臓に血液を流すポンプの機能を継続させ、血流を起こし、脳に酸素(血液)が流れるようにすることです。コツとしては手のひらの付け根の部分で押し込むと良いです。

上には細かい数字も出てきていますが、実際に力の加減やテンポを正確に刻んでいくのは難しいと思います。(自分もおそらく正確にはできません)その結果相手に怪我をさせてしまうかも。あるいは状況を悪化させてしまうかもといった躊躇の気持ちもわかりますが、それでも何もやらないよりはやった方がはるかにいいので、是非恐れず行うようにしてください。

※AEDを並行して使用している場合はテンポを刻んでくれるAED製品もあります。

仮に結果怪我をさせてしまっても善意による活動であるので傷害罪などの罪には問われませんし、相手に恨まれることもないでしょう。ただし意識、呼吸がある人には行わないようにしてください。

胸骨圧迫は約30回繰り返して相手の呼吸などを確認します。また基本的には相手の呼吸が戻るまでか救急隊が到着し、引き継ぐまで継続して行いますのでできれば周りの人と協力し、交代しながら行った方がよいでしょう。極力一定力とのテンポは保つ必要があります。実際にやるとわかりますがかなり疲れます

また胸骨圧迫中にAEDが手配出来たらAEDを使用します。AEDで心電図解析が行われますのであとはAEDの指示で胸骨圧迫などを行います。

救急隊が来たら

救急車が見えた、あるいは救急隊員がやってきたとしてもすぐに胸骨圧迫はやめないで継続してください。できれば胸骨圧迫中でも救急隊員に倒れた状況やCPAからCPAを継続している状況 AEDの使用状況などを報告し、あとは救急隊員の指示に従うようにします。

人工呼吸は必要か

ドラマや漫画では見られますよね。相手の体調だけを考えた場合やった方がいいことは間違いないと思います。しかし感染症など衛生面のリスクがあるので基本的に不慣れな人は行う必要はありません。たとえ相手が家族で見た目きれいに見えたとしても嘔吐や吐血などの危険がないわけではありません。人工呼吸用のマウスピースもあるのですが、持ち歩いている人はこのページを見ることが不要な方でしょうね。また人工呼吸は気道を確保し、かつ正確に行わないと空気が肺まで流れなかったり、途中で空気が漏れてしまい効果がありません。なのでそれよりは胸骨圧迫を継続しましょう。よく胸骨圧迫と人工呼吸を30:2で繰り返すという説明を見ます。間違いではないのですが個人的には不慣れな人はそこまではいいのではないかと思っています。

 

心肺蘇生でなるべく慌てないために

消防署で救命講習をやっていますので時間を見つけて参加してみてください。

いくらかの時間と費用はかかりますが、それで家族や仲間を助けられる可能性が高くなるとしたら安いものだと思います。上記の人工呼吸も教わることができます。

そして人間は忘れる生き物なので日ごろからこういった手順を反復して覚えておくことも大切です。消防隊や救急隊員ではないから毎日はできないかもしれませんが、今回のニュースをきっかけにするなど何かの機会にイメージトレーニングなどをしてみるとだいぶ違うと思います。また何かにつけAEDの設置場所は覚えておいた方がいいですね。

特に通勤・通学の経路やよく訪れる場所はもちろん、公共の場所ではだいぶAEDが増えてきたので興味をもって探してみてもいいでしょう。

まとめ

病気や事故で突然倒れてしまうことは誰にでもあります。

我々素人がそれらに対して完璧に対応するのは難しいとは思います。でも上記講習を受講するなどちょっとした意識の持ち方 や勉強で救命率はだいぶ変わるのです。

救命のプロじゃないからと何もせずにおまかせするのではなく、出来ることはどんどん出来るようにしておくことが大切だと思います。

僕も上級救命の講習に参加して技能証を持っています。相手の命を救えるかもしれない行為なので皆で誇りをもって取り組んでいければいいなと思いますのでこの記事を読んだ方は是非興味をもっていただきたいと思います。

 

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